Heaven
頑張って投げるから、
いつでもいいよ。
受け止めてくれるまで、投げ続けるからさ…
俺は帰り際からずっと気になっていたことをヒカルに聞いた。
『ヒカルは死ぬとき、なんて言いたい?なんて残したい?』
ヒカルは俺の質問に、悩んでいるよう。
下を向いて答えを探している。
そして静かな部屋に言葉を加えた。
『名前を呼びたいかな。好きな人の名前を。そしたら死んでも忘れないと思うし』
この言葉を聞いた俺は、ひとつの問題の答えが見えたような気がした。
陸は、忘れたくないから最後に美羽の名前を呼んだのかもしれない。
いや、そうに決まっている。
忘れたくないんだ。
美羽の存在を…。
やっぱり陸は…最高すぎる。
『そっか…そうだよな。間違いねぇよ』
ふと窓を見ると、
カーテンの隙間から夜空が覗いた。
星も見えている。
なぁ、陸…
お前は美羽のこと…
覚えているか─…?