Heaven


本当にありがとう。
励ましてくれて、
不安を取り除いてくれて。

ヒカルがいなくなった部屋の中でベッドに寝ころび、余韻に浸っていた。
ヒカルが言った言葉をもう一度思い出す。


─…人間は人間に愛を投げる…─


─…自信がなくても投げればいい…─


まさにその通りだ。
だから俺は投げるよ…。

天井には空が浮かぶ。
その正体は爺ちゃんが撮った写真だ。
この写真にも助けられた。
お礼を言いたいな…。


『雅、入ってもいいか?』


ドア越しに父さんの声が聞こえてくる。
俺は体を起こし『どうぞ』と部屋に招いた。


『どうしたの?』


『今日お爺ちゃんから電話があってな。日曜日遊びに来なさいって』


日曜日?
今は金曜日だ。
明日から休日となる。

俺もちょうど爺ちゃんに逢いたいと思っていたところだ。


爺ちゃんは俺の気持ちが読めるのだろうか?



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