Heaven
振り返ると、笑顔の爺ちゃんの姿があった。
白髪の混ざった髪の毛に、優しい瞳。
グレーのチョッキを着ていて、清楚だと外見からして分かる。
『久しぶり!爺ちゃん!』
久しぶりに見たら、嬉しくなって、つい声を張り上げてしまう。
何も変わっていない。
変わったとしたら皺が増えたくらいだろうか?
優しい笑顔もそのまま。爺ちゃんの笑顔はかっこいい。
羨ましくなる程だ。
『疲れただろう?休むか?』
『疲れてないよ!荷物ないし。それに行きたい場所あるんだよね!』
そう、俺は荷物をあまり持っていない。
目立つものとしたら、地元の駅で買った土産の水饅頭くらいだ。
それより、行きたい場所があるんだ。
早く行きたくて、ずっとうずうずしていた。
『行きたい場所?あぁ、秘密の場所か』
爺ちゃんはその場所をすぐに当てた。
俺と爺ちゃんは駅を出て、ここから歩いて直ぐある秘密の場所へと向かう。