Heaven
俺はこの言葉で片付けて、一歩、坂道を登る。
そしてようやく着いた場所。
久しぶりに来る秘密の場所…。
やはりそこから見る景色は超がつくほど最高で、瞳が吸い込まれていく。
古びたベンチに座り、
言葉さえも失って、ゆっくりと呼吸をしながら街の景色を眺めていた。
この景色を見るといつも感じる。
自分の悩みなんてちっぽけだ、と。
そして背中を押されるような感じがするんだ。
答えへと導いてくれると思うんだ…。
爺ちゃんもベンチに座り、真っ直ぐと街を見つめる。
『美月は今日来なかったのか…』
『うん。美月は部活だってさ。あ!婆ちゃん元気?』
『笑は今日同窓会に出かけていてな、夜まで帰って来ないんだよ』
その言葉を聞いて何かを思う。
婆ちゃんがいないから今日、俺を誘ったのかな?
それとも…
違う意味があるの…?