Heaven
『そっか。そうなんだ。逢いたかったな!また今度だね』
俺は爺ちゃんを見て笑顔を見せる。
すると爺ちゃんは俺の頭に手を置いて、軽く撫でた。
ゴツゴツとした…大きな手で…優しく…。
『無理に笑うな。何かあったんだろう?』
…どうして分かるの?
今にも泣きそうな俺の心情を…。
俺はとっさに下を向いて、唇を噛み締めた。
そして小さく言葉を漏らす。
『俺…ずっと怖かったんだ。人を愛すのってさ…なんでこんなにも勇気がいるのかなって…』
いきなりこんなことを話されても困るはずだ。
でも爺ちゃんは困る素振りなど一つも見せず、俺の背中を叩いた。
『人間が一番勇気を使うときは、人を愛す時だ。雅は一生懸命、人を愛そうとしている。なにが怖い?なにを不安がっているんだ?』
『俺の好きな人は…昔事故で亡くなった人のことを未だに想っているんだ…』
こう俺が言うと、
背中にある爺ちゃんの手がぴくりと止まった。