Heaven
それを不思議に思い、
爺ちゃんを見上げる。
爺ちゃんは…悲しい瞳を浮かべて、ゆっくりと空を見上げた。
『…俺もな、昔…大切な人を事故で亡くしたよ…』
『え…』
衝撃的な事実を聞かされた俺は、なんて言ったらいいか分からなくなり、再び視線を足元に落とす。
『愛していた人でね、世界を恨んだよ…でもな、その人は小さくて弱かった俺に夢を与えてくれた人だから…俺はこの世界で夢を追い続けた』
『その、夢は?』
聞かなくても分かる。
爺ちゃんの夢は…、
人を感動させる仕事だよね─…。
『自分が見た景色をこの世界に残す仕事だ』
やっぱり。
それは、カメラマンだよね。
『爺ちゃんは凄いよ。写真一枚で人を感動させてさ…あのさ、変なこと聞いていい?』
俺は先日、ヒカルに聞いたことを違う人にも聞きたくて…爺ちゃんに聞いてみた。
『爺ちゃんは最後のとき、なんて言いたい?』