Heaven


なにも怖くないさ。
俺の人生は…キミのために。
キミは誰のために生きる?
やはり、陸と答えるのかな?


太陽が、ゆっくりと落ちていく。



『もうすぐだと思うんだ。嘗て愛した人のために生きられるのが。俺は楽しみで仕方ないよ。雅は夢とかあるのか?』


涙を頬に伝わらせながら、爺ちゃんを見る。
歪んで見える爺ちゃんの顔。
そこには必ず笑顔があったに違いない。


『…夢?なんだろ…考えてもないなぁ…。でも爺ちゃんみたいになりたいなって思ってる。人を感動させたいな…』



『雅は俺のあとを継いでくれると信じているよ』


爺ちゃんのあとを?
ということはカメラマン?
無理に決まっている。
俺には才能なんてないに等しいし、感動させられる力も持っていない。

俺は首を横に振った。


『無理無理!!俺に出来るわけないよ!!』


『雅なら出来る。お前は綺麗な心を持っているから…』



綺麗な心…。
自分では分からない。

でも爺ちゃんには勝てない気がする。



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