Heaven
爺ちゃんはまだこの世界を恨んでいる?
こう質問をしたかったが、見え始めた夜空を見上げる爺ちゃんの横顔で答えが分かってしまった。
恨んでいないね…。
だって空を見て、星を見て…こんな眩しいくらいの笑顔を見せているのだから。
『俺、そろそろ帰ろっかな!明日学校だし!』
俺は立ち上がり、爺ちゃんにこう言う。
爺ちゃんも立ち上がり、土産袋を手に持った。
そして秘密の場所に背中を向けて坂を下りていく。
また、来るよ…。
次は愛する人と共に…。
駅に着くと真っ暗に近く、足元がよく見えない。ホームに着くと同時に、電車が駅に止まった。
『じゃあね、爺ちゃん!今度は家族と来るからさ!元気でね』
『雅もな。また遊びに来なさい』
俺は溢れそうなくらいの笑顔を見せて電車に乗り込む。
すると爺ちゃんが一歩電車に近づき…最後にこう言った。