Heaven
ここで俺の運命が動きだす。
爺ちゃんの運命が変わったように─…
父さんの運命が変わったように─…
1年2組の教室で、真ん中の前から4番目の席で。
またひとつドラマが始まる。
俺とヒカルは自分の指定された席に座る。
『雅、もしかして気にしてんの?まだ』
ヒカルは後ろを振り返り、下を向く俺の顔を覗き込んだ。
気にしないと言ったら嘘になる。
だけど気にしてると言ったら少しだけ嘘になる。
美加のことは気になるが、それ以上にもっともっと気になる人がいる。
それは天使のような彼女のこと。
『気になるっていうか…あんまり会いたくはない…』
『忘れろって!俺も彼女作らなきゃな…』
忘れろ?
忘れることなんか出来ねぇよ。
だってすぐ忘れられるような恋愛をしてきたわけじゃない。
沢山思い出があるのだから。
唇をぎゅっと噛み締めて、頭の中で色々考えていると、隣の席から椅子を引く音が聞こえた。
ちらっと横を見ると、
サラサラな長い髪の毛が目に映った。
まさかと思った…
『あ…』
キミが─…
天使のようなキミが─…
高木…美羽…