Heaven


美月が泣いているところはあまり見たことがない。
美月もきっと俺と同じ気持ちなんだね…。


俺は立ち上がり、美月の隣に座る。
美月と肩を並べるのは何年振りだろう。
思い出せないくらい月日が経っている。



『俺も爺ちゃんの温かい手が大好きだった。眩しい笑顔で俺たちを抱きしめてくれてさ…笑う俺たちの写真を撮ってくれてさ…大好きだった…』


爺ちゃんはよく俺たちの写真を撮ってくれた。
俺と美月が手を繋いでピースをしている写真は今も爺ちゃんの家に飾ってある。

色褪せることなく。
だから思い出も色褪せることがないのかな。
写真が色褪せなかったら、思い出もそのままなのだろう、きっと。


爺ちゃんが俺たちの笑顔を撮ってくれたように。

俺も撮っていきたい。
俺のために笑ってくれる人の笑顔を。



『美月、爺ちゃんとお別れするときは笑顔で別れよう…』



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