Heaven


初めまして、なのかな?違うよね。
キミとはもう出逢っていたのだから…

俺の心臓はうるさく鳴り始め、なにも出来ないまま時が過ぎていく。

彼女は俺を一瞬見て、すぐ視線をずらした。
隣の席に座るキミ。
空白だった席が、キミの席だったんだ。

また逢いたいと、空に願った願いを神様は聞いていたのだろうか?

名前を知っておけばよかったと悔やんだ俺の気持ちを、神様は受け入れてくれたのだろうか?


どくん、と唸る心臓が、夢ではないと俺に伝えているようだ。

隣ではヒカルの声が聞こえてくる。
だが今の俺にはヒカルの声は届くはずはない。
なぜなら、キミに夢中だから。

下を向くキミの横顔をじっと見つめる俺。
『綺麗だ…』と心の中で呟く俺。

他人から見たら『何しているのだろう?』と不思議に思われるだろう。

でも俺の気持ちを知った途端、納得してくれるだろ?


気になる子が目の前にいたら、自然と視線はその人のところへ向かうはずだから。


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