Heaven


俺が雨が嫌いだと知っているからだよね…。


ありがとう…。


…俺は制服に着替えて、爺ちゃんたちの家に向かう。
向かう途中、車内の中は会話などなかったが、俺が我慢出来ずに言葉を漏らしてしまった。


『昨日、爺ちゃんの顔見たんだろ?どうだった?』


運転席に座る父さんと、助手席に座る母さんに向けて言葉を投げる。



『苦しそうではなかったよ』


こう父さんが言う。


『幸せそうだったわ…』

こう母さんが言う。


『そっか。ならいいや…』


俺は空を見上げる。
屈託のない空が、まるで爺ちゃんの人柄を表しているよう。


幸せだったんだね。



車が俺たち家族を運んでいく。
爺ちゃんの家に着くと、黒と白の色でまとめられていた。
着々と準備が進められていく。
だが今日は通夜のため親族だけだ。


玄関には喪服姿の婆ちゃんの姿があった。



< 390 / 424 >

この作品をシェア

pagetop