Heaven
『母さん!起こしてくれてもいいじゃん』
『何回も起こしたけど雅がちっとも起きないんじゃない!』
だって…
幸せな夢を見ていたから…
爺ちゃん、ごめんね。
通夜に出れなくて…
でも明日、必ず笑顔で送るから─…。
明日は葬儀が、葬儀の専門式場で行われる。
そこには沢山の人が参列すると聞かされていた。
俺は侮っていた。
爺ちゃんの凄さに。
次の日、朝から俺たちは近くの式場へと向かう。今日も快晴。
これも爺ちゃんの力なのだろう。
そして俺は受付係として、参列者に会釈をしていく。
『え…』
俺は目を疑った。
人の数に…目を疑った。受付を並ぶ人の数が凄い数だからだ。
長蛇の列。
一番最後の人が見えないくらいだ。
黒い服が並ぶ。
『これは爺ちゃんのファンの人たちだよ』
隣にいた父さんが理解出来ないでいた俺に補足をする。
この人たちは…
爺ちゃんのファンの人たち。