Heaven
昼過ぎくらいになると、俺は準備をし、家を出て行った。
美羽へのプレゼントはない。
美羽へのプレゼントは…俺の愛だ。
方向音痴な俺は、迷うことなく美羽の家に行けるだろうか?と不安になりながら、バスに乗り込む。
バスが美羽の街に近づくにつれ、俺の心臓はうるさいくらい鳴り出す。
まるで壊れたかのように。
そしてバスは美羽の街のバス停に予定通りの時間に止まり、また走りだした。
二週間ぶりにくる街。
その景色はなにも変わっていなかった。
俺は過去を辿り、美羽の家に向かう。
『えっと…あ、ここを右に曲がるんだな』
この突き当たりを右に曲がれば美羽の家だ。
近づく美羽の家。
すると次第に、美羽の家の付近に人影が見えてきた。
その人影とは女の子のようだ。
ショートカットで清楚な格好をしている。
彼女の横顔はとても綺麗だが、美羽よりは綺麗ではない。