Heaven


俺は願い続けた。
毎日、毎日、夜空に向かって。

陸…
頼むから連れていかないで。



頼むから─…。


夜空を見ながら、
ある言葉を思い出す。


《流れ星って、誰かの願いが叶うころに流れるんだ》


それは爺ちゃんの口癖。小さい頃よく聞かされた言葉だ。

俺は再び夜空を見上げる。


信じたい…。



すると、一つの星が夜空を横切ったんだ…。




俺の願い…叶ったのかな?



すると、急にポケットに眠る、携帯電話が震え出した。
俺は携帯を取り、電話に応対をする。


《雅!!》



この声は春だ…。



『…どうした?』




俺の願いが─…


《美羽が!!》


一つの星となって─…



『うん…』



夜空を流れていった─…




《目ぇ覚ました…》




< 420 / 424 >

この作品をシェア

pagetop