Heaven
『あたしね…夢見てたの…その世界はね、真っ白で…陸がいた…』
それはきっと─…
『うん…』
『陸がね…あたしにこう言ったの…《幸せになれ》って…そしてあたしの背中を強く押した…』
美羽の顔を手で包み込んで、涙を拭いてあげる。次々と流れる涙は、美羽の体温と同じくらい心地が良かった。
『だから…あたし幸せにならなきゃって思って…愛する人の場所に戻ってきた…』
『美羽…』
『…雅…ずっと一緒にいて…』
ずっと一緒にいるよ。
心配しなくてもいいから…
安心してよ…
俺も美羽と一緒にいたいんだ─…
ずっと…ずっと─…。
俺は再び美羽を強く抱きしめて、そっと優しく、美羽の唇にキスをした。
涙でしょっぱかったけれど…幸せなキスだった。
『美羽、俺といるときは泣くんじゃなくて、どうするんだった?』
美羽は俺を見上げて、
今までないくらいの笑顔を見せてくれたんだ…
『笑うんだよね…』
もう一度、キスをしよう。
幸せで溢れる極上のキスを─…。