Heaven
くるくるに巻かれたキャラメルブラウンの髪の毛、茶色いアイメイク。
そして満面の笑み。
可愛らしい子だが、俺のタイプではない。
どちらかというとヒカルが好みそうな子だ。
ヒカルは案の定、一目で気に入ったのか『なに?俺達に用?』と言葉を並べる。
『雅とヒカルだよね?さくらのこと知らない?』
さくらというのはどうやら自分のことのようだ。何故俺とヒカルのことを知っているんだ?
『何で…俺達のこと?』
『えー!忘れたの?私、瀬川《せがわ》さくらだよ?』
瀬川さくら…
どこかで聞いたことのある名前だ…
だけど過去を一生懸命思い出そうとしても、今の俺には出来そうもない。だって…キミのことが気になるから…
『え…さくらって…幼稚園一緒だった?あの?』
ヒカルは思い出したようだ。
瀬川さくらのことを。
『うん、そうだよ!』