Heaven


俺と彼女は番号順が同じ。
だから席も隣同士なのだ。
俺の隣は彼女。
こう決まっているのに、彼女が隣にくるといつも驚いてしまう。

きっとそれは彼女が綺麗すぎるからだろう…

彼女をゆっくり見ると、まるで涙など流していないような平然な顔をしていた。

『あれ?』と思ったが、俺が見たのは間違いなく涙だ。
俺はさくらに『あとで』と言って、彼女の肩を叩いた。

振り向く彼女。
やはりまだ少しだけ瞳が赤い。
間違いないようだ。


『…なに?』


『あのさ、さっきはごめん!俺…悪いこと言ったかな?すげぇ気になってて…本当にごめんな?』

両手を合わせて謝り続ける俺。
すると彼女の方から吹き出したような笑い声が聞こえてきた。


『そんなに謝らないでよ?』


彼女は綺麗な歯並びをした歯を見せて笑った。
初めて見たキミの笑顔。
なんて魅力的なのだろう?
心が小さく弾んだ。


『教えて?なんていう名前なの?』


『私の名前は、高木美羽《みう》』



高木美羽。
これがキミの名前。
美しい羽と書いて美羽。やっぱりキミは天使のようだ。


美羽─…
キミはその美しい羽を使って、どこへいきたいの─…?



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