Heaven


それくらい馬鹿な俺でもわかる。
今の笑って顔も綺麗なのだが、心の底から笑ったらもっともっと綺麗なのだと思うから。


『馬鹿じゃねぇよ?な?美羽って呼んでいい?』

もう一度聞くと美羽は笑顔を消して『好きにすれば?』と言った。

好きにするよ。
美羽って沢山呼ぶよ。

覚悟しとけよな。


心の中で美羽に宣誓布告をする。



でもキミが抱えていた過去を聞いた俺は─…
なにもしてあげられなかった。



入学式が着々と進んでいく。
前のヒカルの席を見ると未だに空席。
美加の席もだ─…

不安がどんどんと募っていく。


入学式もあと少しで終わる頃、後ろから誰かが歩いてくる音が聞こえてきた。
『まさか』と思い、振り返ると案の定ヒカルだった。
ヒカルはめんどくさそうに登場をして、俺の前へ何も言わずに座る。


『ヒカル、お前どこにいたんだよ?』


『…ちょっとな。わりぃ…』



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