Heaven


この時、初めてヒカルに不信感を抱いた。

美加と一緒にいたんだろ?
なぜならば美加も丁度ヒカルと同じぐらいに現れたのだから。

なぜ本当のことを言ってくれない?
俺達の絆は、固く結ばれているんじゃねぇの?


俺が勝手に思っているだけかもしれない。
だけど思わせて欲しい。
俺達は親友だって。


俺は視線を手元に移して、ヒカルの態度に苛立っていた。
太陽の光に反射する、
ヒカルの金色の髪の毛が視界に入る。

それすら嫌になっていた。


『…なんだよ…』


なんでだよ?
なんでヒカルなんだよ。
いつの間にかその苛立ちが美加へと変わっていた。
美加が許せないでいた。平然としてられる美加が。

俺はまだ─…未練という邪魔なものが残っているというのに─…



入学式も終わり、俺はヒカルを置いて一人でさっさと教室に戻っていく。

だが右に曲がるところを左に曲がり、自分の教室分からなくなってしまった。


< 58 / 424 >

この作品をシェア

pagetop