Heaven
この時、初めてヒカルに不信感を抱いた。
美加と一緒にいたんだろ?
なぜならば美加も丁度ヒカルと同じぐらいに現れたのだから。
なぜ本当のことを言ってくれない?
俺達の絆は、固く結ばれているんじゃねぇの?
俺が勝手に思っているだけかもしれない。
だけど思わせて欲しい。
俺達は親友だって。
俺は視線を手元に移して、ヒカルの態度に苛立っていた。
太陽の光に反射する、
ヒカルの金色の髪の毛が視界に入る。
それすら嫌になっていた。
『…なんだよ…』
なんでだよ?
なんでヒカルなんだよ。
いつの間にかその苛立ちが美加へと変わっていた。
美加が許せないでいた。平然としてられる美加が。
俺はまだ─…未練という邪魔なものが残っているというのに─…
入学式も終わり、俺はヒカルを置いて一人でさっさと教室に戻っていく。
だが右に曲がるところを左に曲がり、自分の教室分からなくなってしまった。