Heaven
『何でヒカルがいるんだよ?』
『お前がちっとも教室に来ねぇから悪いんだろ?探しにきたんだよ』
『あ、ありがと』
素直にお礼を言う俺。
さっきまでヒカルに苛立っていたのに。
ヒカルと話したくないから一人で教室に向かったのに。
結局意味のない行為だったようだ。
これからはもうしない、と深く心の中で誓った。
『雅さ?なんか疑ってねぇ?俺、美加となにもねぇからな』
教室に戻る俺とヒカル。その途中で、突如ヒカルに言われたこと。
俺の気持ちはヒカルに全てお見通しのようだ。
『べ…別に疑ってねぇし!』
動揺は隠しきれない。
そんな俺を見たヒカルは腹を抱えて笑っていた。
『疑ってんだろ?大丈夫だよ。これからもっと面白くなるから楽しみにしとけよな』
ヒカルの言葉が意味分からなかった。
面白くなる?
なにが?
ヒカルは俺と違って頭もいい。
頭の中で何を考えているのか、俺にはさっぱり分からなかった。