Heaven


『何でヒカルがいるんだよ?』


『お前がちっとも教室に来ねぇから悪いんだろ?探しにきたんだよ』


『あ、ありがと』


素直にお礼を言う俺。
さっきまでヒカルに苛立っていたのに。
ヒカルと話したくないから一人で教室に向かったのに。
結局意味のない行為だったようだ。
これからはもうしない、と深く心の中で誓った。

『雅さ?なんか疑ってねぇ?俺、美加となにもねぇからな』


教室に戻る俺とヒカル。その途中で、突如ヒカルに言われたこと。
俺の気持ちはヒカルに全てお見通しのようだ。


『べ…別に疑ってねぇし!』


動揺は隠しきれない。
そんな俺を見たヒカルは腹を抱えて笑っていた。

『疑ってんだろ?大丈夫だよ。これからもっと面白くなるから楽しみにしとけよな』


ヒカルの言葉が意味分からなかった。
面白くなる?
なにが?


ヒカルは俺と違って頭もいい。
頭の中で何を考えているのか、俺にはさっぱり分からなかった。




< 60 / 424 >

この作品をシェア

pagetop