Heaven
なにを言い出すのか、
俺はよく理解出来ずにいた。
席が何か関係があるのだろうか?
『真ん中の列の…前から4番目…だよ?』
『そう…きっとなにかあるわね。光輝と私の子供なんだから』
『は…?』
母さんの言葉の意味が分からない。
でもこの謎はいつか解ける。
いつか、必ず─…
『出来たわよ』
母さんが俺の目の前にパスタがのった皿と、お茶の入った花柄のグラスを渡した。
『さんきゅ』
美味しそうな湯気が立つ。
今日のパスタはカルボナーラだ。
俺が好きなトップ3に入る種類だ。
母さんは止めてあったDVDに再び集中をする。
俺はカルボナーラを急いで食べて、母さんの邪魔にならないように、直ぐリビングから出て行った。
でもあることを思い出して、再びリビングに戻る。
『そういえば、父さんは?』
『光輝なら遥斗君の撮影で沖縄よ?』