Heaven
俺は美月が言った言葉を理解しようとする。
ただ寂しいから引きずっている。
寂しいから?
だから引きずっている?
違う、違う。
そんなはずじゃない。
だけど否定も出来なかった。
寂しいのは確かだ。
引きずっているのも確かだ。
もう訳が分からなくなってきた。
自分の気持ちさえも。
他人の気持ちさえも。
誰か俺を助けてくれ。
『雅、学校はいいの?もうこんな時間よ』
するとドア越しから母さんの声が聞こえてきた。俺はその言葉に反応をし、近くにあった携帯で時間を確認する。
携帯が表していた時間は、いつもの時間より遥かに過ぎていた。
『やばい!!』
ぼーっとしていたら時間が経っていたようだ。
俺は慌ててベッドから下り、制服に着替える。
ネクタイは締めずに、そのまま手に持って、カバンと携帯を抱え勢いよくドアを開ける。
今日は髪の毛をセットしている暇はない。
それだけ時間が押しているということ。