Heaven


俺は昨日覚えた道を歩いていく。
まだ完全に目覚めてない街を体で感じながらバス停へと向かう。
俺と同じ制服を着ている人達はあまり見かけない。
居ても二、三人。
当たり前か。
まだ早い時間だから。


バス停に着くと、まだバスは来ていなかった。
俺はベンチに座り、はぁ…っと息を漏らす。


ヒカルとどうすればいい?
いやその前にさくらだ。今日さくらは来るだろうか?

それが一番の心配。


カバンから携帯を取り出そうとし、カバンの中を探ると、手はあるものを掴んだ。


『ん?』


掴んだものをカバンから出すと、それは昨日父さんから貰った、爺ちゃんが撮った写真だった。
少し角が折れてしまっていたので、俺は曲がっていた角を元に戻す。


いつ見ても綺麗な写真。

その写真に見とれていると、バスがバス停に止まった。

バスに乗り込む俺。
お気に入りの場所はもう取られてしまっている。俺は仕方なく、そのお気に入りの場所のひとつ前に座った。


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