Heaven


俺は学校に着く間、
ずっとその写真を見ていた。
この写真を見ていると、嫌なことを忘れられるから。
悩みなんて吹き飛んでいくから…


少しして、バスは俺の学校の前に止まる。
俺はバスを降りて、まだ静かな学校を歩いていく。
ふわふわと気持ちよさそうに飛んでいるピンク色の桜の花びら。


俺はあることを思い出す。
昨日の美羽との出逢いを。


『もしかしたら…』


俺はこう思い、
勢いよく駆け出した。
もしかしたらいるかもしれない。
もしかしたら、またあの場所にいるかもしれない。
そう思い、俺は階段を駆け上っていく。

そして着いた場所は、
屋上。

ゆっくりとドアを開け、屋上を見ると…いた。
長い髪の毛を靡かせて、今日も空を見上げているキミが。


美羽の後ろ姿を見ると、どくんと心が弾むんだ。嘘じゃない、本当なんだ。



『美羽は空が好きなの?』


美羽の後ろ姿に向かって話しかける俺。
美羽は俺を確認せず、
空を見つめたままこう言った。


『またあんたなの?』


キミは何故空を見つめるの?
その理由を知りたいんだ。



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