Heaven


白い雲が流れていく。
真っ青な空によく映える白い色。

眩しいくらいに輝く太陽がキミを照らしている。

俺はそんなキミを羨ましいと思いながら見つめるんだ。


『美羽は屋上が好きなの?』


美羽に近寄って、美羽と同じように、この空を見つめる。


美羽は小さく口を開き、意味深な言葉を並べた。

『好きよ。だって空には大好きな人がいるもの』

この言葉を聞いたとき、俺の中が寂しさで埋まっていくのを感じた。
大好きな人。
美羽が大好きな人。

美羽の心に眠る人間。

その事実を聞いた俺は、徐々に表情が曇っていくだろう。
寂しく感じる。
美加にふられた時と同じくらい、寂しく感じた。
なぜだろう?
美羽には恋愛感情などないはずなのに。


『大好きな人…それは誰?』


今思えば、何でこんなことを聞いてしまったのかと後悔をした。

美羽に悲しい思いをさせてしまったから…


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