二つの恋
それからはメールだけでなく、
学校でも何度か喋る様になっていた。
ある学校の帰り―
「ねえ、さやー!!」
後ろからパタパタと
一人の女の子が駆け寄ってきた。
「みなじゃん、どうしたん?」
みなは早口に息を切らしながら
「さやって幸田君と付き合ってるの?」
私は先輩の名前が出て
少しびっくりした
「えっ…付き合ってないよ」
みなはその言葉を聞き
安心したような表情を浮かべた。
―まさかみなが先輩の事
好きだったりするの?