死神に恋をした。
ジン「アイツに何言われた?」
綾「・・・」
「何言われたかって聞いてんだよ。」
「…して…」
「え?」
「殺して。アタシを今すぐ。」
「なんだよ、急に。」
「アタシを殺せば…ジンは元に戻れるし…彼女も戻ってくるんでしょ?」
「なんで知ってんだよ…アイツが言ったのか?」
「そう。」
「俺のために…なんで自分の命捨てるんだよ。」
「え?」
「俺は死神。お前は人間。人間なら人間らしく生きればいいじゃねぇか。」
「貴方も人間じゃない。」
「え?」
「ジンだって、今は死神かもしれない。でも人間に戻れる希望があるんだよ。だったらアタシは人間に戻ってほしい。」
「お前…」
「アタシ一人を殺して、貴方が幸せになれるんだったら…そんなのお安い御用だよ。だから、殺してよ。」
そして、ジンは胸のポケットからそっとナイフを取り出した。
_幸せになれるんだったら…それでいいから…_
カラン…
ジン「できねぇよ…」
綾「どうして!?」
「…俺にお前を殺す事なんてできねぇよ。」
「なんで?あと一人なんだよ?」
「…俺にお前は殺せない。絶対に。」
「ねぇ、お願いだから。」
「もう、お前の前には現れない。お前を狙わない。だから、お前も俺を忘れろ。」
「え?」
「もともと、俺と会わなかった。俺のことなんてまったく知らない。そうでいろ。」
「え、でも…」
「お前は最後まで生きろ。」
どうして?
…本当に…殺してよ…
貴方のためなら死んでも構わない