死神に恋をした。
綾「ジン…ほら、人間じゃない。死んでなんかいないじゃない。」
アタシは自然と笑顔になっていた。
死神のジンが目の前にいる。
やっぱり人間だったんだ。
「どなた…ですか?」
突然投げかけられた言葉にアタシは驚きそのまま後ろを振り返った。
綾「あっ、すみません…その…」
「お友達…ですか?」
綾「あっ、はい。」
咄嗟についた嘘がコレだった。
「ジンの母です。」
そう、目の前に現れたのはジンの母親だった。
母親は毎日毎日来ては花瓶の花を取り替えているのだという。
綾「どうですか?」
母「相変わらずですよ。」
綾「そうですか…」
母「…貴方は仁の学校のお友達?」
綾「…えっ、あっはい。そうです。」
母「そう。笑」
初めて彼女が笑った。
今まで重い表情でアタシを見ていたのに…
そこで、アタシは本当の主旨を思い出した。
綾「じゃ、じゃぁアタシもうそろそろ行きます。」
母「そう。またお見舞いに来てあげてね。」