声
畑
娘が畑を耕していると、大きな岩が出て来ました。掘り出そうとしましたが重すぎて、グラリともしません。「どいちょれ、俺がのかしちゃるけぇ」太い腕がぬっと差し出され、岩をひっこ抜きました。あの鬼でした。娘は農具を放り出し、家に逃げ込みました。「驚かしてしもたのぅ、おめが困っちょったで。」鬼は、すまんすまんと頭を掻きながら山に帰って行きました。