声
寝床
娘は頭から布団を被り、寝床で震えていました。「助けて、誰か助けて」ふと、これまでの事を思い出しました。高い木の上の柿を取ろうと、竹竿を一生懸命に延ばして届かなかった時、力強い太い腕が自分を抱え上げてくれた事。川で溺れかけた時、太い腕に抱えられ、大きな胸にしがみついていた事。顔は逆光ではっきりとは見ていませんでしたし、思い出せませんでしたが、いつでも、困っていると、誰かが助けてくれていた気がします。