君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「美里、いい加減本当の事を教えてくれないか?」

 「本当の事って?」

 「入院の本当の理由だよ、盲腸なんて嘘なんだろ?お前嘘つくの下手だからな……」

 「……」

 長い長い沈黙

 俺は辛抱強く美里の言葉を待った。

 俺と聡と美里……大人へと近づき、形は多少変わり想いは交錯しても、あの頃からの繋がりは薄っぺらな物ではないはずだ。

 「一稀……私ね、あの頃からずっと一稀が好きだった――」
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