君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「うん……」

 「一稀が私を好きじゃなくても構わない、思ってるだけで……一稀と同じ世界に存在してるだけで幸せだった」

 俺には言葉を返す事が出来なかった。

 愛されている、これほど迄に愛されていると実感出来るのに――

 「一稀と離れてから私は必死で探したの、でも見つからなかった。そうしているうちに私もお母さんが迎えに来て、今の生活が始まった。高校に入った頃にはもう諦めかけてたわ、きっと何処かで元気にしているって信じて、それだけで私は幸せだって自分に言い聞かせてた……」
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