君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「ちょっ!待てよ!俺は話してない――」

 言い終わるより先に聡は一方的に電話を切った。

 プー プー プー

 携帯を持ったまま立ち尽くした俺の耳に無機質な機械音だけがやけに響いた。



 「美希!!美希!!」

 家に帰った俺は大声で美希の名前を呼んだ。

 「なあに?そんな大声出して……」

 美希は階段の途中まで降りて来て怠そうに顔を出した。
< 132 / 241 >

この作品をシェア

pagetop