君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「お兄ちゃんが……お兄ちゃんが悪いんじゃない!美里美里って!二言目には美里!そんなにあの人が大切!?どうせ死んじゃう人――」

 パァン!!

 渇いた音が部屋に響いた。

 気が付くと俺の掌は美希の頬を打っていた、例えようのない痛みにも似た熱さを掌に感じた。

 「美希お前……本気で言ってるのか?本気でそんな事言ってるのか!?」

 美希は頬に手を当てたまま床に伏して、悲鳴の様な声を上げて泣いた。
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