君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「ここって……」

 俺と美希は一度顔向き合わせてから同時に病室を見た。

 開け放たれたままのスライド式のドア、その向こうには綺麗に布団を畳んであるベット……

 「これ、さ……空室なんじゃない?」

 美希はドアの左側壁にあるネームプレートを指差しながら言った。

 そこには確かに『真嶋聡子』と書かれたプレートがあったはずだが、今は真っ白なプレートが刺さっているだけだった。

 俺は通りすがりの看護士に声をかけた。
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