君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「そんなの嘘な事ぐらいわかってるさ……何年お前と居ると思ってんだよ……ただ――」

 「ただ、なんだよ?」

 「ただ、理由が必要だったんだよ……美里にはお前と離れる理由が――例えそれが気休めでもな……」

 「俺と離れる理由……」

 「美里はそれだけお前が好きなんだよ……」

 聡は呟く様に言ってからスポーツバックを手にして俺の横を通り過ぎた。

 「聡!どこ行くんだよ!?」
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