君を愛してる 〜だから死にたい〜
 そう言った美里は俺の膝の傷を舐めた――

 『へへ……こうするとね、早く治るんだって院長先生が言ってたんだ』




 「ま……さか――」

 「思い出したか?もちろんまだわからない、だけど可能性がある以上調べた方がいい……」

 「そう……だな」



 家に帰った俺は窓から砂稀の部屋を見ていた。

 電気のついていない窓は、どこか違う世界へ繋がる門のように感じさせた。
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