君を愛してる 〜だから死にたい〜
 そんな事を考えていると砂稀の部屋に電気がつき、カーテンが開かれた。

 「こんばんは、一稀さん」

 「砂稀……風呂上がり?」

 砂稀の髪が湿っているのを見て俺は尋ねる。

 「はい、一稀さんは何なさっていたんですか?」

 「ん?ああ……砂稀の着替えでも見れないかと思って覗いてた」

 「え……な、何言ってるんですか!」

 砂稀は顔を真っ赤にして俯いた。

 その姿を、俺は幸せと絶望の入り交じる気持ちで眺めた……
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