君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「良くないわけないだろ?感染してたら死ぬかも知れないんだぞ?」

 「死にたかった……お兄ちゃんと一緒に死にたかった――」

 「馬鹿言うな、嘘でも死にたかったなんて言うな」

 俺は美希の手を取ると、立ち上がり保健所を出た。

 クリスマス一色の商店街を無言で歩いていると、ショーウインドーに飾られた一着のワンピースが目に止まった。

 「美希、少し早いけどクリスマスプレゼント買ってやるよ」
< 194 / 241 >

この作品をシェア

pagetop