君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「ああ、いや……大丈夫。砂稀こそ買い物?」

 心配そうな顔をする砂稀を安心させようと、俺は無理矢理笑顔を作って言った。

 「ならいいのですが…… はい、クリスマスプレゼントを」

 「クリスマスか……」

 「どうかなさいました?」

 「……ごめん、クリスマス行けなくなったんだ――」

 「えっ!……そう――ですか……」

 明らかに落ち込む砂稀の顔を直視出来ずに、俺は視線を地面に落とした。
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