君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「仕方ないですね……何か急用ですか?」

 「彼女――彼女と会うから……」

 「彼……女?」

 砂稀は何が何やらわからないとゆう顔をして

 「彼女?」

 と繰り返した。

 まるで心臓を――いや、全身をナイフで刺される様な痛みだった……

 それでも俺はわざと半笑いで、いかにも軽そうな男を装いながら続けた。

 「本当は彼女も友達と予定入れてたんだけど、なんか中止になったらしくてさ――」
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