君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「で、急遽会う事になっちゃってさ……」

 「彼女……さん、いらしたんですね――」

 砂稀の消え入る様な声に拳を握りしめる。

 「うん、言わなかった?」

 「いえ――私……馬鹿ですね、一人で勘違いしてその気になって……」

 握った手の平に爪が食い込み熱を帯びる。

 「砂稀の事も好きなんだけどさ……やっぱり彼女の方が好きだから――あっ!二番目でよかったら俺の彼女に……」
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