君を愛してる 〜だから死にたい〜
 パァン!

 冬の乾燥した空気が振動し、乾いた音を響かせた。

 「馬鹿に……馬鹿にしないで!!」

 大きな目に涙をためて走っていく砂稀の後ろ姿に俺は呟いた。

 「ごめんな……」

 俺には砂稀の側にいる資格がないから――

 こんな方法しか出来なくて……

 叩かれた頬よりも

 砂稀の目に浮かんだ涙が痛かった……



 さよなら砂稀――


 さよなら俺が唯一愛した人――
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