君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「紹介状を書きますので、そちらの病院に行って下さい」

 渡された紹介状には美里が入院していた病院の名前が書かれていた。

 逃げる事も許されないか――

 大学を退学して、入院をした時は既に年が変わろうかという頃だった。

 窓から見える冬の町並みはあの頃となんら変わらぬ姿で佇み、美里を見舞ったあの日からいくばくも経ってないような錯覚を覚える。

 入院する為に俺が一旦家に戻った時、両親は激怒した。
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