君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「お、おい、泣くなよっ……」

 「ごめんなさい……ごめんなさい……お兄ちゃん――」

 「何を謝るんだよ?別に何もしてないだろ?」

 美希の涙の意味がわからずに俺は慌てた。

 「あの日……お兄ちゃんに酷い事言って――」

 「なんだそんな事か、美希の我が儘は今に始まった事じゃないだろ?」

 言いながら美希の額を軽く人差し指で押した。

 「ずっと……ずっと謝ろうと思ってたけど言えなくて――」
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