君を愛してる 〜だから死にたい〜
 内心、美希に言う程落ち着いているわけじゃなかった。

 死ぬかも知れない……いや、おそらく訪れるであろう『死』に対する恐怖。

 何かにすがっていなければ今にも自分が崩れ落ちそうになる――

 「ああ、約束だ」

 俺は美希の手を取ると小指を絡ませて言った。

 「うん!約束!」

 美希は嬉しそうに返事をして、部屋を出て行った。



 「ありがとな……美希――」
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