君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「聡さん……優しいのね――」

 「ばーか、茶化すなよ」

 「悪い悪い、つい……な。サンキュ!でも大丈夫、ちょっと散歩でもして帰るから」

 「そうか、気をつけろよ?」

 「おう、またな」

 店を出た俺達は反対方向へ歩き出した。

 数歩進んでから俺は立ち止まり振り返る。

 ロングコートの裾を風になびかせた聡の後ろ姿に俺は呟いた。

 「美希を頼むぞ――親友……」
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