君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「ああ、それなら俺が通ってる高校だからついておいで」

 忘れもしない――

 この声……

 このやりとり……

 振り返えらずとも誰かわかる、何せこのやりとりを一言一句間違えずに出来る人間はこの世にただ一人しかいないのだから……

 「ふふっ……全然変わってませんね、一稀さん――」

 ゆっくりの振り返った俺の目の前で長い髪が風になびいた。

 出会った日と変わらぬ姿――

 「砂……稀――」
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