君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「いつ戻ってらしたんですか?」

 「ついさっきね、ちょっとホームシックでさ」

 「そうですか……一人暮らしは寂しそうですものね」

 我慢も限界が近い事は明らかだった。一刻も早く離れなければ思いが溢れ、口から零れてしまいそうなほど……

 『好きなんだ砂稀――』

 それだけは回避しなければならない。

 砂稀にはこれから先の未来があり幸せになる、砂稀の隣に立つべき男は俺ではないのだから――
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